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刀鍛冶になるには

刀鍛冶とは文化庁主催 美術刀剣刀匠の資格をもっている人のことです。

刀鍛冶になるには

刀鍛冶になるには、刀鍛冶の下で連続して4年以上の修行(実務経験)の後、文化庁主催の美術刀剣刀匠の試験に合格する事が必要になります。

刀鍛冶になるには、刀鍛冶の元へ弟子入りする事から始まります。それが第一の難関です。簡単に弟子をとる親方はいません。理由は、弟子を取るということは一人前に育てるという責任があるからです。

忘れてはならないのが刀鍛冶の修行はとても辛く途中で辞める者が多いからでもあります。途中で辞められたら、それまで育てた炭・鉄・時間は無駄になります。それ以上に、弟子を育てても仕事が出来ると独立をしてしまいます。親方にとって弟子をとるということは、日本刀の文化を次の世代に残したいという思いでとる以外何のメリットもありません。

弟子と修行とは

弟子入りできると修行の開始ですが、給料はまったくありません。本当にまったくありません。
刀も造れない上に、教えてもらっているのだから給料が出ないのは当たり前の事です。

まず入門後3年間は、炭きりや掃除、見学が主な仕事です。その後親方の下仕事をやらしてもらい、仕事に慣れていきます。

修行の内容は、親方によってまったく違います。私の親方のように教えてくれる所は少なく、ほとんどが昔ながらの見て覚える、またはすぐ上の兄弟子に教えてもらう所が多いそうです。
修行も、完全に寝食を一緒にする住み込みの所や、通いの所など様々です。私の場合、早朝から夕方4時過ぎまで刀の修行をして、18時から23時までバイトをして生活費を稼いで、どうにか修行を続けました。修行の後にバイトはとても辛かったですが、親方もその事を十分考慮してくれていましたし、陰ながら支えてくれた家族、融通をしてくれたバイト先など色々な方の応援で修行を続ける事ができました。

弟子の頃は横の繋がりは少なく、他の一門との交流はほとんどありません。ですので、修行の内容も日本刀の造り方も、親方によってまったく違います。
基本的には、日本刀の造り方を習うのですが、その他にも、日本の歴史(日本刀は日本の歴史と両軸のため)、漢文、古文、科学(製鉄の科学や力学も教わります)や礼儀作法、掃除、住み込みの所は食事や洗濯まで覚えることは沢山あります。

試験とは

刀鍛冶の試験は、実技だけです。年に1回、岡山県で8日間かけて行われます。国家資格で8日間連続であるのは、刀鍛冶だけではないでしょうか?
試験内容は、脇差を造るだけです。その造り方を試験官(数十年のベテラン刀鍛冶)が見ていて、造り方に無駄があったり、上手に出来ないとその場で落とされます。まさに、8日間緊張の連続です。
毎年10名ほどが受験して、合格率は半分ぐらいだと思います。

刀鍛冶になると

刀鍛冶の試験に合格して、親方から独立の許しを得ると刀鍛冶としての第一歩が始まります。
ただ、刀鍛冶は死ぬまでが修行です。
もっと言うと、刀鍛冶は職業ではなく生き方だと思います。




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