日本刀について、色々聞きたいけど何から質問したらよいか分からない!難しい!気軽に聞けない!という声を皆様からよく聞きます。
私も、日本刀の世界に足を踏み入れる前は、日本刀は一部の愛好者の難しい趣味だと思っていました。子供のころは、刀鍛冶が平成の世の中に生きているなんて思いもしませんでした。私が刀鍛冶だと言っても、冗談を言っているんだと思われる事も少なくありません。
日本刀の事を正しく理解している人は少ないのが現実です。
日本刀は、過去の遺物だと思っていませんか?
でも、本当は違うんですよ!
日本刀はとっても面白いんです!
日本刀の歴史は1000年。私達の日常に密着した文化として今も色々生活の中に隠れているんです。
平成の今、日本刀を武士が腰に差していた時代は昔に思えますが、150年程しか経っていません。
日本刀は、所有することがすべてではありません。
日本刀は、日本の歴史や風土・文化と切っては切れない関係があります。
本当の意味での日本刀の勉強とは、日本刀の製作方法や鑑定方法、日本の歴史、当時の文化や風習まで多方向にわたります。
何かとても難しい感じがしますが、時代劇や大河ドラマ、お宝鑑定団を見る時、美術館、博物館、史跡などに行った時、日常生活のちょっとした事をより楽しむ事が出来る知識だと思ってください。
最初は、自分が興味のある分野の簡単な書物から読んでみたらいかがでしょうか。
いきなり実際の日本刀を見学に行くよりも、まずは書籍にて少し勉強をしてみてください。それから博物館や美術館に見学に行くと日本刀の見方が変わってくると思います。
一昔前は日本刀の本を購入しようにも、普通の本屋さんにはなかなか売っていなかったり、どんな本が存在するのか情報も無くて大変でした。古本屋さんを歩き回り色々探したものです。
今はインターネットで欲しい本もすぐに検索でき自宅に居ながら注文出来る事は素晴らしい事だと思います。
日本刀の製作方法を知っていれば、日本刀を実際に見た時にどのような作業工程が行われ、今見ている日本刀がどのような技術で完成したのかをイメージすることが出来ます。作り方を理解しているからこそ、感じる事の出来る職人の技術を楽しめるはずです。
日本刀の歴史・鑑定を知っていれば、日本刀を見た時にその時代の日本刀の特徴からなぜそのような姿(形)になっているのか歴史的な背景などを楽しめると思います。
有名刀工や有名な日本刀を知っていれば、実際に博物館等で見た時、小説等で出てきた時に、その日本刀の成り立ちやどんな時代の作品なのかわかるはずです。
初心者の方でも、読みやすと思う本を何冊かご紹介致します。参考にしてください。
図解 日本刀事典―刀・拵から刀工・名刀まで刀剣用語徹底網羅!! | ||
刀剣用語と日本刀の種類や刃文の種類などの基礎用語が上手にまとめてある本だと思います。有名な刀工や有名な日本刀の説明もかなり記載してあります。 用語のインデックスが末尾についているので、他の書籍を読んでいて、分からない場合に用語から引けるのがとても便利です。 |
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学研 2006年発行 約330ページ |
図説・日本刀大全―決定版 (歴史群像シリーズ) | ||
日本刀の歴史や名刀、日本刀にまつわる物語等、これ1冊でざっと流れを把握できると思います。 写真もしっかり載っているので、イメージしやすいと思います。 |
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学研 約150ページ |
図説・日本刀大全 2―決定版 名刀・拵・刀装具総覧 (歴史群像シリーズ) | ||
日本刀の写真を見ながら刃文や地鉄について丁寧に説明しています。 日本刀の見方がよくわかるので、博物館に初めて見に行く前に読んでおくと、展示してある刀剣をより楽しめると思います 写真もしっかり載っているので、イメージしやすいと思います。 |
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学研 約150ページ |
【DVD】 砂鉄から日本刀が出来るまで | ||
刀鍛冶の日本刀の製作工程を70分で見る事が出来ます。 これさえ見れば、刀鍛冶の仕事を詳しく知る事が出来ます。 工程の説明字幕入り。 |
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出演 刀工 上田祐定 こちらのHPから購入できます(http://www.osahune.com/) |
作刀の伝統技法 | ||
日本刀の製作方法を工程ごとに紹介しています。 この本を読めば、日本刀の製作工程がほとんどわかります。 日本刀の製作工程を知りたいなら、読んだ方がよい本だと思います。 |
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理工学社 |
写真で覚える日本刀の基礎知識 | ||
日本刀の手入れの方法が写真で載っているので、日本刀の手入れを知りたい方にはもってこいだと思います。 ※日本刀の手入れを、独自の方法で絶対にしないでください。 |
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全日本刀匠会 約48ページ |
日本刀の鑑賞基礎知識 | ||
日本刀の鑑賞における基礎知識をまとめてあります。 とても良い本ですが専門的な内容もありますので、少し日本刀の知識がある方が読まれると面白い本だと思います。 |
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至文堂 約252ページ |
ここに載せていない場所でも、特別展等で刀剣の企画展がある場合は見ごたえのある見学が出来ると思います。
近所の博物館のHPや新聞等のイベント覧に目を通してチェックしてみてください。お城の中や神社等の宝物館にも、本数は少ないながら日本刀が展示してある事があります。
場所 | 施設名 | 参考 |
東京 | 東京国立博物館 | http://www.tnm.jp/ 国宝を多数展示しています。 |
東京 | 刀剣博物館 | http://www.touken.or.jp/museum/ 刀剣専門の博物館です。国宝を多数展示。 |
東京 | 五島美術館 | http://www.gotoh-museum.or.jp/ 刀剣の常時展示はしてないと思います。 特別展 |
東京 | 國神社 遊就館 | http://www.yasukuni.jp/~yusyukan/ |
静岡 | 佐野美術館 | http://www.sanobi.or.jp/ とても良い特別展をされています。 |
愛知 | 熱田神宮宝物館 | http://www.atsutajingu.or.jp/ すばらしい日本刀があります。 |
京都 | 京都国立博物館 | http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html |
奈良 | 春日大社宝物殿 | http://www.kasugataisha.or.jp |
岡山 | 備前長船刀剣博物館 | http://www.city.setouchi.lg.jp/~osa-token/ |
岡山 | 林原博物館 | http://www.hayashibara-museumofart.jp/ |
岡山 | 岡山県立博物館 | http://www.pref.okayama.jp |
島根 | 出雲大社 宝物殿 |
【決定版】図説・日本刀大全Uの第5章に日本刀の見れる場所が沢山載っていたので、参考にしてみてください。
場所 | 施設名 | 参考 |
東京 | 國神社 | 正月頃 |
岐阜 | 関鍛冶伝承館 | http://www.city.seki.lg.jp/0000001558.html 年数回 |
岡山 | 備前長船刀剣博物館 | http://www.city.setouchi.lg.jp/~osa-token/ 毎月 第二日曜日 |
岡山 | 備前長船日本刀傳習所 | http://www.osahune.com/ 毎週土・日・祝 HPより要予約 |
島根 | 奥出雲たたらと刀剣館 | http://www.town.okuizumo.shimane.jp 毎月第2日曜日、第4土曜日 |
場所 | 参考 |
岡山 備前長船 |
日本刀の名産地 備前長船。今でも刀鍛冶が住んでいたり、色々と史跡もあるので旅行を兼ね行ってみてください。日本刀と兼ねて、備前の国、美作の国、古代吉備の国の史跡を回ってみるのも面白いと思います。 【日本刀ゆかりの場所】 ・備前長船刀剣博物館 (まわりに刀工墓や菩提寺等あります) ・林原美術館 ・岡山県立博物館 ・備前長船日本刀傳習所 (備前長船刀剣博物館から徒歩すぐ) 【その他の史跡】 ・備前焼の伊部 ・倉敷の美観地区+ 大原美術館 ・鬼ノ城 古代の山城(古代の鍛冶の跡) ・岡山城・後楽園 (岡山県立博物館すぐ) |
東京 |
【日本刀常時展示】 東京国立博物館 刀剣博物館 この2つを回っただけでも、しっかり見学したら丸一日かかるとおもいます。 【その他】 たばこと塩の博物館 根付が有名です |
京都 | 山城伝の京都も日本刀ゆかりの場所があります。 【日本刀ゆかりの場所】 京都国立博物館 伏見稲荷 (三条宗近ゆかりの場所。焼刃の水と呼ぶ井戸があり) その他にも、三条宗近由来の場所がたくさん残っています。 |
島根 | 江戸時代たたら製鉄が盛んに行われました。たたら製鉄に興味がある方はぜひ! 奥出雲たたらと刀剣館 鉄の歴史村 その他にもたたら関係の施設があります。公共交通の便が悪いので、レンタカーがお勧めです。 |
山口 | 祝 世界遺産決定(平成27年) 明治日本の産業革命遺産 大板山たたら製鉄跡 |