あなたの大切な家族が増えたとき、代々の家系の繁栄を願って御守刀を新たに製作することは、昔ながらの日本の古き良き伝統でもあります。
私は御守刀や家宝の定義は 日本刀を注文された方の想い、その家系の歴史が、 その日本刀と一緒に次の世代へ伝わる事だと私は考えます。
刀でも脇差でも、短刀でも、ご注文主の想いや歴史が伝わるのでしたら 私は、ご注文主の想いにピッタリな日本刀が御守刀だと思います。
そこに確固たる想いや理由があるのでしたら、掟や風習は無視することが出来る、 そしてそれは尊いものだと私は思います。
あなたが、新たに御守刀を大切なご家族の為にお考えでしたら、生まれてきたお子様のように無垢な日本刀へあたたの想いを込めて作った日本刀こそが御守刀に一番ふさわしいと思います。
あなたがお子様の為に注文した御守刀は、お子様の人生を見守りながら、いずれはあなたの形見となります。お子様は、その御守刀を通してあなたを思い出すことでしょう。
お父さんが大切に育て上げたお子様も、いつかはあなたと同じように親になります。
そして、その御守刀はお子様のお子様へ、あなたとあなたのお子様の形見として引き継がれます。それが代々繰り返されていき、その日本刀はあなたの家系にとって唯一無二の大切な家宝となり、他の物へ代えることの出来ないあなたの家系の物語になる事とと思います。
基本的には、短刀がおすすめです。
刀は、基本的に成人の男性のみの武器です。 短刀は、女性・男性・子供関係なく使える物です。 武器の観点から見ても、 一般的に御守刀が短刀になった理由がそこにあるのではないかと思います。
日本刀の場合、1000年残ります。 次の世代の事も考える必要が出てきます。 女性へ受け継がれる場合もあるかもしれません。
男の子で丈夫に元気で育って欲しいと願われるのでしたら、豪壮な短刀へ派手な刃文を入れてみてはどうでしょうか。
女の子で、堅実に育って欲しいと願われるなら、上品な短刀ではどうでしょうか。
他にも、真っ直ぐなお子様へ育って欲しいと願われる方は、真っ直ぐな刃文でも良いと思います。
長男への御守刀であれば、刀でもよいかもしれませんね。
五月人形があるのでしたら、太刀を合わせてみるのも面白いと思います。
枕刀とは、お葬式のとき御棺の上に置く、魔よけの日本刀の事です。
現在では短刀が主流ですが、古い時代は成人男性が脇差、女性・子供が短刀だったようです。
私はこの枕刀こそ、その家に代々伝わっている日本刀を使うべきだと考えております。
私の家系には先祖伝来の一振りの脇差が伝わっております。 将来、私が亡くなった時の私の枕刀は、私の作品ではなくこの脇差になります。 その理由は、そこに先祖代々の歴史や想いがあるからです。
なんの想いも入っていない、おもちゃの模造刀を置かれるなんて私は絶対に嫌です。
先祖代々の日本刀が家系に伝わっているのでしたら、その日本刀を使う事がよいのではないでしょうか。その場合、脇差や短刀なども関係ないのだと思います。先祖伝来の日本刀に込められた想いが、一番の魔よけになると思います。
もし先祖伝来の日本刀が錆びている、鞘が割れている等ありましたら、一度しっかり直されてみてはいかがでしょうか。
残念な事に先祖伝来の日本刀が無く、ご自身の枕刀をご注文される場合、私は枕刀としてだけではなく、せっかくですのでお客様の家系の繁栄も願いまして、家系の御守刀としての製作をお勧めしております。
あなたが注文した枕刀は、あなたの残りの人生を見守りながら、あなたの枕刀として人生の最後を見届けてくれるはずです。
そしてあなたの形見となります。お子様は、その枕刀を通してあなたを思い出す事でしょう。
お父さんが大切に育て上げたお子様も、いつかは同じように親になります。
そして、その枕刀はお子様のお子様へ、あなたとあなたのお子様の形見として引き継がれます。
私は、枕刀も御守刀も根底にある想いは同じだと思うのです。